月夜の太陽
ジェイド様から術を教えてもらった後は、休む間もなくエルグラムさんの特訓が待っていた。


今日は珍しくリオがいた。



『リオも一緒にやるのか』

『うん、体を動かしたい気分なんだ』

『サハルドは?』

『まだ調査に取り掛かってるよ。暫くは戻ってこないんじゃないかな』



目の前にいるエルグラムさんとサハルドが親子だと聞いたときは驚いた。


それよりも、副女官長の息子だと聞いたときの方が驚いたかもしれない。


副女官長はあんなに優しく穏やかな雰囲気なのに、その雰囲気が一つもサハルドにはない。



『まずは今日も筋トレから始める』

『はい』

『いつものメニューが終わったらまたここに集合だ』

『はい』



筋トレのメニューは初日に一通り教えてもらった。


今は1人でやっている。


サボらないと踏まえてのことなのか、俺の事を試しているのかは分からないが、ある意味筋トレの段階でプレッシャーを掛けられているのは間違いない。






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