月夜の太陽
厩に来たのは久しぶり。


小さい頃は勉強やある程度身を守れるように剣や武術を教わった。


その中でも一番好きだったのが乗馬。


厩の一番奥には懐かしい子がいた。



「ダリアっ!!」



私は乗馬の時いつもお世話になっていたダリアを見つけ、駆け寄った。


ダリアも私の事を覚えててくれたみたいで、擦り寄ってくる。



「ごめんね…ずっと会いにきてなくて」

「とっても嬉しそうね。ダリアはルナに一番懐いてたものね」

「私たち友達だもの」



私は直ぐ横の道具置き場からブラシを持ってダリアの横に立った。



「お詫びにブラッシングしてあげるね」



私がブラッシングしている間、お母様はダリアをずっと撫でてくてていた。


ダリアはとても気持ちよさそうな顔をしていて、私まで嬉しくなってしまった。


突然お母様の手の動きが止み、不思議に思い顔を見ると酷く冷めた目を入り口に向けていた。


目線の先にはビリー様が立っていた。






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