月夜の太陽
早く助けを呼ばなければ、お母様がッッ。


ダリアを急いで騎士団の練習場所へと走らせた。


手綱をもっている手は未だに震えていて、掴んでいるのがやっとだった。


だけど私の思いが伝わっているのか、ダリアは迷うことなく皆の下へ足を進めてくれた。


涙でぼやけているが皆の姿が確認できた。



「エルグラムッッ!!!!!!」

『ルナ様!?どうなさったんですか!?』

「早くッッお母様がッッおかッあ様がッッ」

『ルナ落ち着け!!何があった』



私の体に触れ、落ち着かせようとしてくれるソル。


早くなっていた動悸が少しずつ落ちいていくような気がした。



「お母様が殺されてしまうッッ早くッ厩にッッ」



私の言葉に一気にけたたましい雰囲気になり、エルグラムが急いで厩に向かってくれた。


その後を私たちも追うように急いだ。






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