月夜の太陽
焦りばかりが先走り、頭がまともに働いてくれない。


何でこんなことにッッ。



『ローズッッ!!!!!』



皆頭を抱えてどうにかしようと考えていると、馬に乗ったお父様が後ろに現れた。


お父様は急いで馬を下りると、すぐさまお母様のもとへ向かった。


お母様の回りに張られていた結界を難なく壊したお父様は、急いでお母様を抱えた。



『ローズッッ!!お願いだッ目を開けてくれッッ!!』

「………シ…エル」

『ローズ!!もう、心配ないッッ』



力なくお父様の頬に手を伸ばすお母様を見て、涙が溢れた。



「ル…ナ……は?」

『ルナ?ルナならここにいる』

「……無事…な、の………ね」

「お母様ッッ!!私は無事だよッッお母様が守ってッくれたからッッ」



お母様の手をギュッと握ると、お母様はフワッと笑って見せた。


そしてそのまま目を瞑り、また意識を失ってしまった。



「お母様ッッ!?」

『大丈夫だ、気を失っただけだ』



そして、お母様はすぐに医務室へと運ばれた。






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