月夜の太陽
早急にみんなが一つの部屋に集められた。


ソファーの上でソルに抱きしめられ座っていても、体の震えが止まらない。


ドアが開き、お父様が姿を現した。



「お母様はッッ!?」

『今はぐっすり眠っている、心配ない』



お父様の怒りがひしひしと伝わってくる。


まるで自分を責めているかのような怒り。


お父様が席に着くと、話は直ぐに始められた。



『ルナ、一体何があった』

「お母様と一緒に厩でお父様の帰りを待っていたの。2人でお父様を驚かせようって……ッッ」



ソルの優しく頬を伝う涙を拭ってくれる。


そんなソルの手に自分の手を重ね、私は話を進めた。



「急にお母様の表情が変わって、目線を辿るとそこにビリー様が立っていたの」

『ビリー殿が?』

「ビリー様だけど、ビリー様じゃない感じがした」

『どういう意味だ』

「とても邪悪で、闇に覆われている様な感じだった……」



あの時の恐怖は尋常じゃなかった。


殺されると思った。






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