月夜の太陽
◇繋がる糸

父から子へ

ベッドに横になり目を瞑っているローズ様の手を握っているルナ。


ルナは毎日毎日医務室に来ている。


そしていつも心配そうな表情を浮かべ、時には涙を流している。



「もう1週間も眠ってる…このまま目を覚まさなかったらッッ私ッッッ」

『ルナ達を置いて目を覚まさないなんてありえない』

「どうして……そんな事が言えるの!?そんなのッッ分からないじゃないッッ!!」



ルナの声が部屋中に響き渡った。


こんなに動揺し余裕のないルナは初めてだ。



『分からないかもしれない。でも、俺は信じたい』

「信…じる?」

『ローズ様がいつものお優しい笑顔を見せてくれることをだ』

「……私は…そう思える程強くないものッッ」

『俺も強くない。だけど、ルナがいるから強くなろうと思える。お前がいなかったら俺は前を向いて歩けない……情けなく聞こえるかもしれないがお前の存在が俺の強さだ』



唇を震わせ涙を流すルナの肩を抱き、頭にそっと唇を落とした。


ルナは肩を震えるように揺らしながら甘えるかのように擦り寄ってきた。



「私も…ソルがいなかったら前を向いて歩けない。ソルがいてくれるからッ弱音を吐けるし泣いて甘えられる……私の方こそ情けない………」

『俺がルナの居場所になれるなら、俺はずっとルナの傍にいる。何があっても……』



泣きじゃくるルナをずっと抱きしめていた。


泣きつかれて眠ってしまうまで。







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