月夜の太陽
ジオラさんと目が合い、なんとも言えない顔を向けられた。


ジオラさんだけではない。


ザックさんも似たような表情を浮かべている。



『まさかあいつにガキがいたとはな』

『初めて会った時に懐かしい感じがしたのは、キングに似ていたからだったんですね』

『キング……』

『貴方のお父上のカイン様はdarkmoonの者たちからはキングと呼ばれていたんだよ』

『じゃあ……ザックさんもdarkmoonだったんですか』

『そうだよ。ジオラさんはキングの父親的存在であり、darkmoonで料理長をしていたんだ』



こんなに優しそうな人がdarkmoonに属していたなんて。


思いもよらなかった事実に驚いた。


ジオラさんはなんとなくその風貌からそう言われても驚かないが……。



『まだ、ここにいる者たちには話していないことがある。今から話すことを知っているのは極僅かな者だけだ。他言無用で頼む』



シエル様の言葉に全員息を飲んだ。


変な緊張に襲われ体に力が入る。


俺だけではなく皆同じのようだ。





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