月夜の太陽
どんなにそれらしい答えを貰っても、納得できない。


俺は何が許せないんだ。


組織の奴らを残して死んだキングか?


言い訳を並べて今ここにいるザックさんやジオラさんか?


それとも…自分自身なのか?



『騎士団の方々は光の当たる場所を、我々は影の部分を担えばいい。どんなに汚く誉められたことじゃなくても、ローズ様が我々の帰りを待っていてくれる。これ程幸せで嬉しいことはないんだよ』

『ッッ………』



俺と同じなんだ。


俺と………。


隣にいるルナと目が合うと、理解できなかったものが何だか分かるような気がした。


ルナが待っててくれるなら、生きていてくれるなら俺もどんなことでもするだろう。


自分よりも大切だと思える存在。



『その気持ちは俺にも分かります…よく、分かります』

「ソル……」



俺が悲しそうな顔をすればルナも悲しそうな顔をする。


今は俺に答えるかのように安心する笑顔を見せてくれている。






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