月夜の太陽
目の前にお父様とお母様が並んで座っている。


2人とも穏やかな顔をして。


本当に良かった…目を覚ましてくれて。



「休憩しなくて大丈夫?ずっと篭って話をしているみたいだってラキから聞いてるけど」



確かにずっと話をしている。


それも楽しい話ではなく、暗く重たい話しを。


だけど休憩をしようという者は誰一人いなかった。



「お母様、話を聞かせて欲しい」

「分かったわ」



お母様はゆっくりと、だけど力強い声で話を始めた。



「先日厩に現れたのはビリー様じゃないわ」

「……どういう意味?私は確かにビリー様の姿をこの目で見たわ」

「ビリー様の姿をしていただけ。中にいたのは違う者よ」

「違う者?」

「レイドよ……間違いないと思うわ」



レイドって……darkmoonの………。


お母様が本当の悪だと言っていた人。



『そんなはずねぇだろッッあいつは…あいつはカインが殺したはずだ』



殺した……?





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