月夜の太陽
死んだ者が蘇る?


そんな事ありえない……ッッ。



「……禁忌…お母様、そう言ってたわよね」

「彼らは禁忌を犯した。死んだ者の魂を蘇らせるという禁忌を……」



ダンッッッッッッ!!!!!!!!!


ジオラさんがおもいっきりテーブルに拳を叩き付けた。


グラスは揺れ、テーブルクロスにシミができた。



『手に火傷の後があったと聞いて片っ端から探した。火傷を負っている奴を……。全員は分からなかったが、何人かは顔を覚えてた…レイドに従えていた奴らだった』



怒りで顔を真っ赤にし、体を震わせているジオラさん。


今にも爆発してしまいそうだ。


ザックさんの目にも悔しさと怒りの色が見える。



「でも分からないの。どうしてレイドの体に魂を戻さなかったの?純血の力を手に入れたかったから?」

『違ぇよ……レイドの体は使い物にならなかったから、別の体を用意したんだろうよ。純血の体を用意したのは、下僕どもなりにレイドへ忠誠心を示したかったんだろうな』

「レイドは混血だったんですか」

『混血でもその辺の混血とは比べ物にならねぇぐれぇ力を持ってた』



それ程の力を持っていたなら再生能力も普通の混血よりあっただろう。


再生が追いつかない程酷い殺され方をしたのだろうか。






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