月夜の太陽
「レイドはカインの剣で一突きで殺されました。心臓以外傷はなかったはずですけど…あの炎で酷い状態になったんですか」

『実は…あの後剣を取りにジオラさんとキングの部屋に戻ったんです。ですが、そこにレイドの死体はありませんでした…勿論剣も……』

『すまねぇｯｯ……俺が判断を誤っちまったｯｯ!!!!』



おでこをテーブルに付け、謝罪をするジオラさん。


ザックさんも同じく頭を下げている。


当時の事を知らない私は状況を上手く理解できないでいる。



『俺たちにもわかる様に話してもらえませんか』

「ごめんなさい、そうよね」



ソルと目が合い繋いだ手に力を込められた。


不安を鎮めてくれているかのように。



「クーデターを起こしたのはアルファナさんと手を組んだレイドよ。そしてそのレイドに殺されそうになった私を庇ってカインは死んだ……。その時カインが投げた剣はレイドの心臓を貫きレイドも死んだ」

『部屋に戻ったときレイドの体がなくなってんのは、あいつの仲間が弔う為に持っていったのかと俺は思っちまった。だがそうじゃなかった…体のまだ生きてる部分が必要だったんだ』

「生きている部分?」

『魂を呼び戻すにはその者の体の一部があった方が術の成功率が上がる。自分の体に呼ばれてるみてぇな感覚になる……と聞く』



生きている体の一部……でも、実際に入っているのは自分の体じゃなくてビリー様の体。


結局レイドの体は必要なかったってことよね。







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