月夜の太陽
私のせいだろうか。


部屋の雰囲気が何とも言えない、変な雰囲気に変わってしまった。


これは絶対私のせいだろう……。


そんな事を考えていると、クスクスと笑い声が聞こえた。



「ルナとリオがこんなに真剣な顔をして話を聴いているのを見るのはいつぶりかしらね。納得が出来ないのなら、今起こっている問題が落ち着いたらいくらでもシエルと話をすればいいわ。ね?」

『あぁ、遠慮をせずにいつでもおいで』

「うん…そうする」

「話が少し脱線してしまったわね。ソルはさっきから何を聴きたそうな顔をしているのかしら?」



隣のソルを見ると、若干苦笑いを向けられた様な気がする。


割って入れなかったんだわ…きっと。



『……その剣は普通の物と何が違うんですか』

『これは銀で刺されるよりもえげつねぇんだ。刺された箇所は細胞が死に、壊死は徐々に広がっていく。ただ、術を使う時みてぇに力を込める必要がある。カインはそれだけの力を持ってたから使えた』

『でも、レイドが体をのっとったビリー様も純血です。今のレイドも使えると言う事ですよね』

『さぁな。俺はそのビリー様とやらの力を知らねぇから必ずしも使えるとは言えねぇよ。使える可能性はたけぇだろうがな』



そんなものでもしもお母様が刺されていたら…この場にはもう………。


あの時の事を思い出しているからか、心臓がざわつき始める。


心臓の音が身体中に響き、暑くもないのに汗が出る。






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