月夜の太陽
ジオラさんはテーブルの上の剣を掴み上げ、ソルに差し出した。
『お前が持ってるべきだ』
『……俺が持つ理由がありません』
『俺たちは今はこの城に仕える身だからよ、こんなもん持ってっと罰を受ける羽目になる。それに、この剣は必要になる』
『どういう意味ですか』
『お前はまだ術を完璧にコントロールできねぇし、短期間で使いこなせるようになるとは思えねぇ。それなら剣の方が確実に相手を殺せるし、この剣の方が普通の剣より楽に殺せる』
ジオラさんが言っている意味が分からなかった。
私だけじゃない。
みんな理解できていないようだ。
だけど、お父様たちはしっかりと意味が分かっているようで、お母様はとても辛そうな顔をしていた。
『お前は何のために今力を身につけようとしてんだ』
『自分自身と大切な者を守るためです』
『何から守る?何と戦う?』
『…………』
『レイドを殺し組織を潰さなけりゃ戦いは終わらねぇ。レイドを殺すっつうことがどういうことか分かるな?』
もう、ジオラさんが何を言いたいのか分かっていた。
だけど誰も口にしないし、そうはしたくなかった。
『レイドを殺せばビリー様も死ぬ』
『お前が持ってるべきだ』
『……俺が持つ理由がありません』
『俺たちは今はこの城に仕える身だからよ、こんなもん持ってっと罰を受ける羽目になる。それに、この剣は必要になる』
『どういう意味ですか』
『お前はまだ術を完璧にコントロールできねぇし、短期間で使いこなせるようになるとは思えねぇ。それなら剣の方が確実に相手を殺せるし、この剣の方が普通の剣より楽に殺せる』
ジオラさんが言っている意味が分からなかった。
私だけじゃない。
みんな理解できていないようだ。
だけど、お父様たちはしっかりと意味が分かっているようで、お母様はとても辛そうな顔をしていた。
『お前は何のために今力を身につけようとしてんだ』
『自分自身と大切な者を守るためです』
『何から守る?何と戦う?』
『…………』
『レイドを殺し組織を潰さなけりゃ戦いは終わらねぇ。レイドを殺すっつうことがどういうことか分かるな?』
もう、ジオラさんが何を言いたいのか分かっていた。
だけど誰も口にしないし、そうはしたくなかった。
『レイドを殺せばビリー様も死ぬ』