月夜の太陽

静かな月夜

窓の外に高々と出ている丸い月。


丸く堂々としている月。


だがまだ満月ではないようだ。


月明かりに照らされた自分の姿が鏡に映ると、未だに不思議な感覚に襲われる。


体格も肌の色も髪も目も、とにかく全てが変わってしまった。



『混血がいくら力を身に付けようと純血には敵わない。この体になってよく分かった』

『貴方はこの世界の王になるに相応しいお方です』

『俺が王に?そうだな。だが、口で言う程簡単な事ではない』

『勿論承知しております。ですが、レイド様でなければなし得ない事です』



俺は一度死んだ。


純血であるキングに殺された。


心臓を一突きにされ、壁に張り付けられるという無様な格好で。


あの時の屈辱は一生忘れられないだろう。


だが、その屈辱をはらすことも一生叶わない。


キングは死んだ。


俺の攻撃が致命傷になった様だが、死に行く様を見ることが出来なかった。


そのせいだろう……俺は生き返り奴は死んでいると言うのに負けている様な気がするのは………。


せめてあの女…ローズを見るも無惨な姿にしなければ、気が収まらない。






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