月夜の太陽
部屋の中は静かで穏やかな空気に包まれている。


リオが持ち込んだ空気。


恐らく分かってるんだろう。


俺の心が乱れ、落ち着かせようともがいている事に。


リオは少しでも俺が落ち着く様にと待っていてくれているんだろう。



『リオ、お前ならどうする』

『何について?』

『……罪のない人を殺すことについて』



ビリー様とは会ったことがない。


たとえその体をレイドが支配していても、殺せない。


殺すつもりで奴らのアジトに乗り込んだとしても、いざとなれば躊躇してしまう…そんな気がする。



『その悩みは後回しだよ、ソル』



金色の目が俺の姿を捉え、まるで子供に接するような目をしていた。


迷いと動揺で震えている心臓をそっと包みこんでくれるかのような、温かい目。


本当にルナとそっくりだ。






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