月夜の太陽
眉間に皺がより、自然とため息が零れる。


術もまだ1人ではまともに扱えない。


悩みも迷いも消えない。


迷路に迷い込んでいるかのように出口が見つからない。


今の俺は全てが中途半端で気持ちばかりが先走り、焦りのせいで結果が付いてこない。



『悪党の基準は?』

『基準?』

『そう、基準。計画を練った者?実行したもの?知らないふりをした者?』



答えられなかった。



『誰にも分からないんだよ。カインが悪党ならどうして母様を助けたの?愛していたから?それに、サルエラを襲ったときカインはどうやらいなかったようだよ』

『いなかっただと?』

『母様とジオラさんから詳しく話を聞いたんだ。カインはサルエラに足を踏み入れたが直ぐに引き返したと。組織を引き連れて城に乗り込んだのはレイドだと言っていたよ』

『依頼を引き受けたのに、別の奴に実行させたのか?』

『簡単に言えばそうなるね』



自分の手を汚したくなかったと言うことなのか。


奴の考えが全く分からない。


リオはこの話にはまだ続きがあるというような顔をしている。






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