月夜の太陽
ソルは驚いた顔から段々と険しい顔つきに変わった。


そして急いで私の元へと走ってきた。


この場に似つかわしくないほど怖い顔をして。



『何してるんだ。それも1人で』

「……眠れなくて…外の空気が吸いたくて」

『シエル様からもあれ程自分の立場を考えろと言われただろう』

「………ごめんなさい」



怒られてもしょうがない事をしていると自覚している分、私は謝る以外言葉が見つからなかった。


下を向き佇んでいると、手を掴まれソルの背中を見ながら足を進めた。


初めて2人できた時と同じ場所で足を止め、私たちは腰を下ろした。



『少しだけだからな』

「ソル…ありがとう」



ソルは大きなため息をつきながら、頭を乱暴にかき出した。


そして下を向いたまま、口を開いた。



『お前に何かあったらと思うと俺も気がきじゃないんだ。だから危険だと分かってる事はするな』

「…うん、ごめんね。これからは気をつけるね」

『あぁ』



顔は見えないが、恐らく恥ずかしそうな顔をしているに違いない。


そう思うと自然と口元が緩み、笑みが零れた。






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