月夜の太陽
月明かりで更に金色に輝いているソルの姿があまりにも綺麗で、何故だか涙が溢れた。


溜まった涙でぼやけた光の中にいるみたいだ。


ソルの腕に包まれ胸に顔を埋め目を閉じると、大粒の涙が零れ落ちた。



『俺も初めてだ…全て欲しいと思ったのは、ルナが初めてだ。お前といると自分が自分じゃないみたいだ』

「私もそうだよ。ソルといる時だけ、飾りのない只の女でいられる…そのままの私でいられる」

『ルナ、俺はカインの剣で成すべき事を成そうと思う。いや、必ず成し遂げる……それがどれほど残酷な事だとしても』

「………ソル」



体を離し、ソルの目を見詰めると芯のある優しい目を向けてくれた。


ソルの手が頭そして頬、首筋へと降りていく。


そして親指でそっと私の唇をなぞる。



『どんなに辛く苦しく現実や罪が重く圧し掛かろうと、俺はお前との未来の為ならどんな事でもする』

「苦しみも悲しみも喜びも幸せも全部2人で分け合えばいい。今回の事で色んな人たちが涙を流し辛い思いを強いられている。これからもそういう人たちは出てくると思う。だからこそ、私たちは後悔で後ろを振り向いてはいけない」

『あぁ、そして強い思いを持つ者が生き残る…そんな気がする。思いがそれぞれ違ったとしても』

「えぇ、そうね」






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