月夜の太陽
肌と肌が密着し、私の体は凍りついたかのように固まってしまった。



「ソ、ソル!?」

『…………』



返事はなく、相変わらず気持ちよさそうな寝息だけが聞こえる。


無意識なの!?


他の女の人の時もこんな感じだったのかな……。


何か一つ満たされるとまた一つ欲が出る。


ついさっきまで幸せな気分だったのに、ちょっとした事で今は泣きそう。


これ以上嫌な想像が膨らまないうちに離れようとソルの手をそっと解こうとすると、更に力を入れられ耳元にソルの息がかかる。



「………ソル?」

『…………』

「寝てるなら離してよ………」



本当は嬉しいくせにこんなに可愛くないことを呟いてしまう。



『………離れたいならどうぞ』

「ッッ!?お、起きてたの!?」

『途中からな。で?どうする?』

「……もう少し…このままがいい」



ソルの顔は見えないし、声も聞こえない。


だけど、笑っているのが触れ合っている部分から伝わってくる。









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