月夜の太陽
「良かったね!!」

「エレナ………」

「ずっと心配だった…愛し合ってる2人が離れ離れになるんじゃないかって……」



更に力を入れて抱きしめるエレナの体を私も抱きしめ返した。


私たちの事に何も口出ししてこなかったエレナは、口にしなかっただけでこんなに心配してくれていたんだ。



「ありがとう、エレナと友達になれて本当に良かった」

「あたしもだよ。ルナと仲良くなれて良かった」



抱きしめあったまま笑い合っていると、無理矢理体を引っ張られよたついてしまった。


そんな私の腰に腕を回し、支えてくれたのはソルだった。



「ソル?」



ソルの顔を見上げ名前を呼ぶが、ソルは顔を逸らし黙ったままだ。



「あたしにまでヤキモチ妬くことないでしょ!?」

「ヤキモチ?」

『ソルがこんなに誰かに執着してるところを今まで見た事がないよ。兄としてなんだか安心した』



みんなの言葉にソルは1人バツの悪そうな顔をしている。


今までであれば不機嫌そうに見えた顔も、今ではこれは照れてるんだなって分かることが嬉しかった。






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