月夜の太陽
ジェイドおじ様は真っ直ぐお母様のもとへ走っていき、抱き上げきつく抱きしめた。


あまりの素早い行動に私たちは呆気に取られてしまった。



「ジェ、ジェイド!?」

『無事で良かったッッ』



ジェイドおじ様の声は安堵のせいか力強く、そして今にも泣いてしまいそうな声に聞こえた。


お母様はそんなジェイドおじ様をそっと抱きしめ返した。



「心配してきてくれたのね。ありがとう」

『私がいればあんな目に合わせずに済んだかもしれない…ごめんよ……ローズ』

「ジェイドが覚えの悪い私に一生懸命術を教えてくれたから、あの程度で済んだのよ?とっても感謝してるわ」

『ローズはとても優秀な生徒だったよ。本当に無事で良かった』



更にお母様をきつく抱きしめるジェイドおじ様に向かって、お父様があからさまに大きな咳払いをした。


気付かないふりを決め込むジェイドおじ様にどんどん不機嫌な顔をするお父様が可愛かった。



『いい加減離れろ』

『いつも独り占めしてるんだからこんな時くらい大目に見てくれてもいいだろ』

『いつも大目に見てやってるだろう』



中々お母様を離そうとしないジェイドおじ様に痺れを切らし、お父様は無理矢理お母様を自分の腕の中へとじ込めてしまった。






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