月夜の太陽
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ガタガタと走っている馬車は決して乗り心地のいいものではなかった。


王室の馬車だけあって、外装も内装も見事に施されている。


特に中はふかふかのソファーになっていて、どんなに道が悪い場所でも尻が痛くなることはない。


本当は馬車ではなく馬で移動をしたかった。


だがシエル様がそれを許してはくれなかった為、仕方なく馬車で移動している。


それも護衛つきで………。


馬車の中には俺1人だけで、外には馬に乗ったエルグラムさんを筆頭に、騎士団の人たちが馬車を囲むような態勢を取っている。


ルナからは自分もついていきたいと子供の様に駄々をこねられたが、俺は首を縦には振らなかった。


こんな状況の中ルナを外に出すのは例え護衛がついていたとしても、危険だと思ったからだ。


もしも俺が分かったと言っていたとしても、誰かしら反対し来る事は出来なかったとは思う。






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