月夜の太陽
*****


カインのお墓参りにいくと朝出て行ったソルはまだ戻ってこない。


すぐに帰ると言っていたのに、もう日は落ち星が輝き夕食の時間が始まろうとしている。



「ソル遅いわね」

「何かあったのかも…どうしよう………」

『エルグラムたちも一緒だから心配ない。仮に何かあったなら報告が届いているはずだ』



お父様の言うとおりだけれど、心配せずにはいられない。


リオは優しく背中を叩き、不安を和らげようとしてくれている。


私の前の席ではロナウドも心配ないよというような表情を浮かべてくれている。


その時ドアがノックされ使用人が開けたドアからソルの姿が現れた。



「ソルっっ」



立ち上がり急いで駆け寄ると、私はそのまま抱きついた。



『遅くなってすまない』

「いいの、無事で良かった」

『皆さんもお待たせしてしまい申し訳ありません』

『ゆっくりできたか』

『はい、お陰さまで充実した日を過ごせました』

『そうか、では食事にしよう』



私たちが席に着くと、いつもの様に夕食の時間が始まった。


今日はジオラさんとザックさんもいて、いつもよりも賑やかかもしれない。


任務が一段落したからだと言っていたが、恐らくカインのお墓参りに行ったソルの事を心配してのことだろうと思うと、私は嬉しくなった。






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