月夜の太陽
ソルは珍しく照れくさそうな顔をしていて、おまけに少しだけ赤くなっているような気がした。



「………可愛い」



思わずそんな言葉を漏らしてしまい、言ったな?という様な目で見られてしまった。


まずい…とは思ったが、今更何て言っていいのかも分からず私は目を逸らして乾いた声を漏らし笑ってしまった。



『この後なにするんだ』

「……自室でゆっくりしようかと思ってるよ」



怒られると思っていたのに、なんちゃない質問をされ拍子抜けしてしまった。


みんながいるからかな?なんて思っていた私が甘かった。


いきなりお姫様だっこをされ、直ぐ目の前にはソルの整った顔があり、その顔は口角を上げ妖艶な笑みに変わっていた。



『奇遇だな、俺も少しゆっくりしようと思ってたところだ』

「ッッ!?」

『暴れると落ちるぞ』



ソルは私を抱えたままみんなに軽く会釈すると、スタスタと歩き出してしまった。



「ソルごめんなさぁぁぁいぃッッ!!」



私の情けない叫び声が廊下に響き渡り、私の耳にはみんなの笑い声が虚しく届いてきていた。


でもソルの横顔はどこか楽しそうで、いつまでも大好きなソルがこんなふうに和らいだ気持ちでいられるように私は支えていきたいと思った。





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