月夜の太陽
エルグラムさんは難しい顔をしてずっと地図を眺めている。


悩んでいるのか考えているのか、中々まとまらないようだ。



『僕はエルグラムと一緒に騎士団の編制に混ぜてもらうよ。いいでしょ?』

『エルグラムの判断に任せる』

『…………』

『エルグラム?』



リオに声をかけられるまで地図に集中していたエルグラムさんは驚いた顔を向け謝罪の言葉を述べた。


それに対しリオは笑顔で気にしていないと言い、エルグラムさんに答えを求めた。



『そうですね、騎士団の編制に加わって頂けると助かります』

『じゃあ決まりだね。宜しく、エルグラム』

『宜しくお願い致します』



2人の話がまとまると、エルグラムさんに対してシエル様が口を開いた。


俺が気付いていたぐらいだからシエル様も気付いていただろう、エルグラムさんが真剣に何かを考えていたことくらい。



『心配するな。ジオラたちが森に到着しサハルドと接触出来次第、サハルドは城へ引き返させる』

『申し訳ありません。私としたことが顔に出ておりましたね……今はそんな事を考えている時ではないというのに………』

『私も親だ、お前の気持ちはよく分かる。だからこそ何があってもやり遂げなければならない事もよく分かっている。そうだろう』

『仰るとおりです。城や国民のことは我々騎士団にお任せ下さい』






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