月夜の太陽
重厚な壁に沢山の客席、吹き抜けになっている上空には傾きかけた太陽。
一体いつぶりだろう、闘技場に足を踏み入れたのは。
騎士団が日頃の訓練の成果を見せるという意味も込め、定期的にここではトーナメント形式で決闘が行われている。
それは騎士団のチームは関係なく個人での戦いであり、お互いを高め合うにはいい行事だとエルグラムや騎士団のみんなは言っていた。
だけど私は決闘を見るのは好きじゃなかった。
対戦相手を殺してはいけない、再起不能になればそこで試合は終了というルールのお陰で未だ死者は出たことはないらしいが、血を流しながら戦っている様を見るのは気分のいいものではない。
だけど今日はそうも言ってはいられない……命がけの戦いで、ルールなんて一切関係ない戦い……殺し合いと言った方が正しいかもしれない。
『ローズとルナはそこに座っていなさい。ローズが張った結界の上から私の結界も張る。ルナ、お前はローズの傍を離れるんじゃない』
「分かった、お母様と一緒にいる」
王室専用の観客席からは戦いの舞台である、大きな四角い石盤を少し上から綺麗に見渡せる。
少しでもソルとお父様が見える位置にいられることは少なくとも私に安心感を与えてくれる。
一体いつぶりだろう、闘技場に足を踏み入れたのは。
騎士団が日頃の訓練の成果を見せるという意味も込め、定期的にここではトーナメント形式で決闘が行われている。
それは騎士団のチームは関係なく個人での戦いであり、お互いを高め合うにはいい行事だとエルグラムや騎士団のみんなは言っていた。
だけど私は決闘を見るのは好きじゃなかった。
対戦相手を殺してはいけない、再起不能になればそこで試合は終了というルールのお陰で未だ死者は出たことはないらしいが、血を流しながら戦っている様を見るのは気分のいいものではない。
だけど今日はそうも言ってはいられない……命がけの戦いで、ルールなんて一切関係ない戦い……殺し合いと言った方が正しいかもしれない。
『ローズとルナはそこに座っていなさい。ローズが張った結界の上から私の結界も張る。ルナ、お前はローズの傍を離れるんじゃない』
「分かった、お母様と一緒にいる」
王室専用の観客席からは戦いの舞台である、大きな四角い石盤を少し上から綺麗に見渡せる。
少しでもソルとお父様が見える位置にいられることは少なくとも私に安心感を与えてくれる。