青春の蒼いカケラ
上履きも上級生の真似をして踵の部分を切り取る。まるでスリッパみたいに歩く度、ペタペタと音がする。もはや一年で僕らに逆らうヤツなど、ひとりもいない。
 高校に入って初めての中間試験がやってきた。中学では常に学年トップクラスだったのをいい事に、僕は『試験勉強』と云うものをまったくやらなかった。どうせ真面目に授業さえ聞いていれば、満点くらい簡単に取れるだろうと、甘く考えていたのだ。
 結果はハルオちゃんが学年トップで僕は十五番。それでも悲観するほどの点数じゃない。
 僕はそれ以来、真面目に勉強する事をやめた。


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