青春の蒼いカケラ
社長のデスクにはハルオちゃんの姿も見える。ハルオちゃんは、重役出勤をしてきた僕の前に立った。
「おいおい、こんな時間までどうした?」
「実は……隣のファミレスで眠りこけちゃって」
「寝不足か?どれ」
心配したハルオちゃんが、僕の額に手を当ててくる。『大丈夫だよ』と言って手を払おうとする僕に、ハルオちゃんは『今日はもういいから休め』と言った。
「なおちゃんにとって寝不足は一番の大敵なんだから。先生からもそう言われているんだよな、俺。だからさ」
「解ったよ。じゃあ今日はこれで帰るわ」
帰ろうとした僕の耳元で『競馬の研究なら家でも出来るだろ?』とハルオちゃんが言った。確かにその通りだ。
「昨日の取り分。なおちゃんに半分あげるよ」
「え?いいの?」
「ああ。そもそもなおちゃんあっての事だからな。次も頼むよ」
僕は『うん』と言って会社を後にした。
スクーターに跨り、ヘルメットを被ろうとして、明日が病院の日で、出社出来ない事を思い出した。まぁいい。その話は昨日もしている。忘れていたのだとしたら、ハルオちゃんの方が悪い。
時間的には夕方と言うにもまだ早い。アパートに戻って睡眠薬を少し多めにかじって、僕はそのまま意識を失った。
それからどれくらい経ったのだろう。僕は自分のイビキで目が覚めた。時計を見ると、夜の九時だ。
テーブルの上に放り出してあった携帯は、着信のランプが点滅している。着信音にも気付かずに眠っていたと云う事か。
見ると、メールが一件入っていた。ハルオちゃんからだ。
――明日の待ち合わせ、どこで渡せばいい?――
どうやら明日が病院の日だと覚えていてくれたようだ。僕は『三時にGストで』と返事を返し、再び睡眠薬を飲んで眠ってしまった。
睡眠薬を多く飲んだ翌朝は辛い。まだ少し残っている眠気と闘いながら、僕は病院の外来にやってきた。予約の十一時にはまだ時間がある。
「おいおい、こんな時間までどうした?」
「実は……隣のファミレスで眠りこけちゃって」
「寝不足か?どれ」
心配したハルオちゃんが、僕の額に手を当ててくる。『大丈夫だよ』と言って手を払おうとする僕に、ハルオちゃんは『今日はもういいから休め』と言った。
「なおちゃんにとって寝不足は一番の大敵なんだから。先生からもそう言われているんだよな、俺。だからさ」
「解ったよ。じゃあ今日はこれで帰るわ」
帰ろうとした僕の耳元で『競馬の研究なら家でも出来るだろ?』とハルオちゃんが言った。確かにその通りだ。
「昨日の取り分。なおちゃんに半分あげるよ」
「え?いいの?」
「ああ。そもそもなおちゃんあっての事だからな。次も頼むよ」
僕は『うん』と言って会社を後にした。
スクーターに跨り、ヘルメットを被ろうとして、明日が病院の日で、出社出来ない事を思い出した。まぁいい。その話は昨日もしている。忘れていたのだとしたら、ハルオちゃんの方が悪い。
時間的には夕方と言うにもまだ早い。アパートに戻って睡眠薬を少し多めにかじって、僕はそのまま意識を失った。
それからどれくらい経ったのだろう。僕は自分のイビキで目が覚めた。時計を見ると、夜の九時だ。
テーブルの上に放り出してあった携帯は、着信のランプが点滅している。着信音にも気付かずに眠っていたと云う事か。
見ると、メールが一件入っていた。ハルオちゃんからだ。
――明日の待ち合わせ、どこで渡せばいい?――
どうやら明日が病院の日だと覚えていてくれたようだ。僕は『三時にGストで』と返事を返し、再び睡眠薬を飲んで眠ってしまった。
睡眠薬を多く飲んだ翌朝は辛い。まだ少し残っている眠気と闘いながら、僕は病院の外来にやってきた。予約の十一時にはまだ時間がある。