青春の蒼いカケラ

 翌朝、目が覚めると、キッチンから小気味いいトントンと云う音が響いてくる。ふと横を見ると、きちんと畳まれた布団の上に、昨日彼女が着ていたはずのスリップが残されていた。よく見ると、ベージュのパンティも、その上に丸まっているのが見える。
 窓の方に目をやると、灰色の空からは強めの雨が降り注いでいるのが見えた。
 キッチン……とは言っても六畳一間の僕の部屋にはこれと云った境目はないのだが、微妙に張り出した風呂の陰になってこの位置からだと完全に見る事は出来ない。僕は首を擡げて、音のする方に目をやった。
 裸にエプロン一枚。
 ブラもパンティも着けていない。
 この位置からだと後姿しか見えないのだが、形のいいヒップラインが、家事をする度に小気味よく揺れる。彼女の後姿がちゃんと見える場所まで移動し、ぼくは揺れる彼女のお尻を黙って見詰めていた。
 彼女が料理を運んできた。僕の視線などお構いなしだ。振り返る時に、胸元もチラチラ見える。彼女は料理を並べ、僕の前に座った。
「さ、食べて」
「あれ?俺、昨日『やっちゃった』っけ?」
「なおちゃんって紳士よね。ふふふ」
「その恰好。目の毒だぞ」
「あら、そう?だったら……私の事、食べちゃう?」
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