青春の蒼いカケラ
「からかってるのか?」
「さぁねぇ……それより冷めちゃうから、食べて」
「ああ。じゃ、いただきます」
ヒロコの手料理はどれもこれも美味しい。彼女曰く『愛情が籠っているから』だそうだが、僕はそれ以上に彼女の恰好が食事中も目に飛び込んできて、実は何を食べても『美味しく感じていた』だけなのかも知れない。
僕が食べている姿を、彼女は嬉しそうに黙って見ていた。誰かに見られながら摂る食事は、どこか恥ずかしくて、穴が合ったら隠れたいくらいだ。
食事を済ませて、目を上げると、彼女の視線と自然に絡み合った。しばらく見つめ合った後、彼女が徐に立ち上がり、『シャワーを浴びてくるね』と言って風呂場に消えて行った。再び風呂場から出てきた彼女は、エプロンすら着けていない、あられもない姿をしていた。
「なおちゃんもシャワー浴びてきてね」
「解った。……そう言えば」
「何?」
「俺、コンドーム持ってない」
「心配しないで。安全日だから」
「そっか。じゃあ浴びてくる」
「うん。待ってるね」
僕が出てくるのを待ち侘びていたかのように、彼女は僕の肩に両腕を絡ませ、そして僕らはその日、ひとつになった。
激しい愛撫に彼女の細かな吐息が漏れる。下から激しく突き上げると、それに合わせるように彼女の長い髪も揺れる。スレンダーな腰をくねらせ、何度でも僕に求めてくる彼女に応えるように、僕は彼女の中で何度も果てた。
こうして僕らの同棲生活は始まった。同じ職場から仲良く一緒に帰る。朝は手を繋いで出勤する。次第に二人の仲は会社でも公認のものになって行った。僕も彼女と暮らすようになった事で、徐々に睡眠薬がなくても眠る事が出来るようになって行った。病院から出される睡眠薬も、気付けば瓶三本分、丸々使わずに残っている。
一緒に暮らしてみて、少しずつ彼女の金銭感覚の荒さが目に付くようになってきた。時々何に使ったのかは解らないが、僕に小遣いを強請《
「さぁねぇ……それより冷めちゃうから、食べて」
「ああ。じゃ、いただきます」
ヒロコの手料理はどれもこれも美味しい。彼女曰く『愛情が籠っているから』だそうだが、僕はそれ以上に彼女の恰好が食事中も目に飛び込んできて、実は何を食べても『美味しく感じていた』だけなのかも知れない。
僕が食べている姿を、彼女は嬉しそうに黙って見ていた。誰かに見られながら摂る食事は、どこか恥ずかしくて、穴が合ったら隠れたいくらいだ。
食事を済ませて、目を上げると、彼女の視線と自然に絡み合った。しばらく見つめ合った後、彼女が徐に立ち上がり、『シャワーを浴びてくるね』と言って風呂場に消えて行った。再び風呂場から出てきた彼女は、エプロンすら着けていない、あられもない姿をしていた。
「なおちゃんもシャワー浴びてきてね」
「解った。……そう言えば」
「何?」
「俺、コンドーム持ってない」
「心配しないで。安全日だから」
「そっか。じゃあ浴びてくる」
「うん。待ってるね」
僕が出てくるのを待ち侘びていたかのように、彼女は僕の肩に両腕を絡ませ、そして僕らはその日、ひとつになった。
激しい愛撫に彼女の細かな吐息が漏れる。下から激しく突き上げると、それに合わせるように彼女の長い髪も揺れる。スレンダーな腰をくねらせ、何度でも僕に求めてくる彼女に応えるように、僕は彼女の中で何度も果てた。
こうして僕らの同棲生活は始まった。同じ職場から仲良く一緒に帰る。朝は手を繋いで出勤する。次第に二人の仲は会社でも公認のものになって行った。僕も彼女と暮らすようになった事で、徐々に睡眠薬がなくても眠る事が出来るようになって行った。病院から出される睡眠薬も、気付けば瓶三本分、丸々使わずに残っている。
一緒に暮らしてみて、少しずつ彼女の金銭感覚の荒さが目に付くようになってきた。時々何に使ったのかは解らないが、僕に小遣いを強請《