青春の蒼いカケラ
蒼天の霹靂編
僕の応募した作品が、またグランプリを取ったらしい。クリエイターズフォーラムを覗きに行くと、確かに僕の絵がグランプリになっている。
僕は日本文学館に電話を掛けた。
「井上と申します。タナカさんはおられますか?」
「少々お待ちください」
しばらく待っていると、電話口にタナカさんが出た。こうして電話を掛けるのも一年ぶりだ。
「やぁ先生。調子よさそうですね」
「何かまたグランプリ取ったみたいで」
「ええ、担当も喜んでいましたよ」
「そうですか。これからも頑張りますので、よろしくお願いします」
「じゃ、ちょっと僕は忙しいのでこれで」
そう言ってタナカさんは電話を切った。僕の担当は、タナカさんの昇格に伴い、スズキさんに代わっていた。僕は嬉しさのあまり、その日はハルオちゃんとノリちゃんにも電話を掛けた。二人とも一様に喜んでくれる。
彼女が『これから一緒にお祝いしましょう』と言ってくれたので、僕は途中でワインを買い込み、ノリちゃんのアパートに向かった。
彼女も喜んでくれてその日は夜中まで飲み、気付いた頃には僕は睡眠薬も飲まずに眠りこけていた。夜中にふと目を覚まし、見回した部屋に彼女の姿がない。僕は『トイレかな?』くらいに思って、然程も気にせず、そのまま再び眠りに付いた。
僕が再び目を覚ましたのは、翌日も昼過ぎの事だ。やはり彼女の姿がない。僕は『買い物かな?』くらいに、いい方に勝手に解釈して、地域支援センターに向かった。
センターにきた僕の耳に、ノリちゃんの噂話が飛び込んできたのは、その日の夕方、そろそろ皆、帰ろうかと慌ただしく動き回る頃の事だっ
僕は日本文学館に電話を掛けた。
「井上と申します。タナカさんはおられますか?」
「少々お待ちください」
しばらく待っていると、電話口にタナカさんが出た。こうして電話を掛けるのも一年ぶりだ。
「やぁ先生。調子よさそうですね」
「何かまたグランプリ取ったみたいで」
「ええ、担当も喜んでいましたよ」
「そうですか。これからも頑張りますので、よろしくお願いします」
「じゃ、ちょっと僕は忙しいのでこれで」
そう言ってタナカさんは電話を切った。僕の担当は、タナカさんの昇格に伴い、スズキさんに代わっていた。僕は嬉しさのあまり、その日はハルオちゃんとノリちゃんにも電話を掛けた。二人とも一様に喜んでくれる。
彼女が『これから一緒にお祝いしましょう』と言ってくれたので、僕は途中でワインを買い込み、ノリちゃんのアパートに向かった。
彼女も喜んでくれてその日は夜中まで飲み、気付いた頃には僕は睡眠薬も飲まずに眠りこけていた。夜中にふと目を覚まし、見回した部屋に彼女の姿がない。僕は『トイレかな?』くらいに思って、然程も気にせず、そのまま再び眠りに付いた。
僕が再び目を覚ましたのは、翌日も昼過ぎの事だ。やはり彼女の姿がない。僕は『買い物かな?』くらいに、いい方に勝手に解釈して、地域支援センターに向かった。
センターにきた僕の耳に、ノリちゃんの噂話が飛び込んできたのは、その日の夕方、そろそろ皆、帰ろうかと慌ただしく動き回る頃の事だっ