Strawberry Junior
架那汰が弱った瞬間、走ってとりあえず田中くんのもとへ逃げた。
私を庇いながら、田中くんが佳那汰に一発お見舞いした。
そして見事(?)佳那汰は気絶した。

「ありがとう!!田中くん!!」
「倉持さん。久しぶり。元気だった?」
「うん。でも、なんでここに?」
「たまたま散歩してて…、倉持さんっぽい声聞こえるなって思ったら、架那汰となんかヤバそうだったからさ…」
「そっか。ありがとうっ!!凄いカッコ良かったよ?」
「いや…別に…」

田中くんはなんだか照れてるようだった。

「あ、そだ。俺等、お互いアド知らなかったよな?教えて貰える?」
「勿論♪」

赤外線通信っと♪

「ってぇ…」

私達がアド交換している間に架那汰が起きた。
さっきの事を思い出し、少しビクッとしてしまう…。

「美寛…、さっきはごめん。俺、どうかしてた…。もう二度とあんな事しない。出来るだけ諦めるな?」
「うん…。解ってくれたらいいの…」
「(田中)幸典(コウスケ)、なんかごめんな。でもサンキュ。お前が来なかったら俺、理性止められなかった」
「あぁ。気を付けろよ」
「あぁ…」
「美寛…、ホントごめん!!許して貰えねぇかもしれねぇけど…、この通りだ!!」

架那汰が土下座した。
本当に反省してるみたい…。

「うん…、もう大丈夫だから…」
「…倉持さん、もう遅いから送るよ…」

田中くんがそう言ってくれた。

「ありがとう。でも私、近いから大丈夫。助けてくれてありがとね」
「心配なんだよ。それに俺が送りたいし」
「そっか…。じゃあお言葉に甘えてお願いしちゃおっかな…」
「おぅ…」
「あの俺…、帰るわ…」

架那汰が言った。

「あ…お前まだ居たのか。じゃあな」

と田中くん(笑)

「じゃ、帰ろっか」

私達は肩を並べて歩き出す。

「倉持さん…」
「倉持でいいよ」
「あ、いや、美寛って呼んでいい?架那汰みたいに…」

なんか田中くん、可愛い…。

「いいよ?」
「じゃあさ、俺のことは幸典って呼んで?」
「え!?」
「嫌ならいいよ」
「嫌じゃないよ?幸典?」

吃驚したぁ…。

「あの…美寛…」
「何?」
「えっとあの…、その…。あ、家どの辺?」
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