Strawberry Junior


春間くんと蘭子先輩が楽しそうに話していた…。


あのツーショット、吃驚するほどお似合いだ…。
お世辞じゃなく、本当に絵になる…。
春間くんのほうが背が高いしね…。


そうだったんだ…。
別に女子が苦手ってわけじゃなかったんだ…。
じゃあ私…嫌われてたのかな…。
ウザい女って思われてた…?
そうだよね…。
蘭子先輩美人だし可愛いし賢いし、
完璧だしね…。

やだ…。
今気付いた…。
私、春間くんのこと、
好きなんだ…。
何やってんだろ。
何でもっと前から気づかなかったんだろ…。
恋って判る前に失恋ってダサっ。
棗が言ってた通り、恋愛に年齢なんて関係ないんだね…。
蘭子先輩、春間くんより2学年上だし…。
あぁぁ…。
蘭子先輩には敵わないよ…。
私が先輩より優る所なんて1つも無い…。
でも…、私にとって蘭子先輩は憧れで、目標の人で、本当に大好きな先輩だから、心から幸せになって欲しいって思う…。

でも…
大好きな人同士がくっつくって…
何か複雑だな……。

私は2人に気付かれないように会場の外に出た。
誰にも泣き顔を見られたくなかったから…。

思う存分泣き張らした後、観客席に戻った。
幸い私はどれだけ泣いても腫れたりしない…。


「美寛、どうしたの?泣いたでしょ?」

気付かれちゃった。私の中では普通の顔してたつもりなのに…。さすが親友。

「そう?そんなこと無いよ?」

さっきより笑ってみせた。

…つもりだった。

「バカ。空元気だって判るよ。美寛は、泣いたら腫れないから、他の人から見分けつかないみたいだけど、私は判るのっ。何年親友やってると思ってんの?何があったのか話してみな?」

やっぱり棗には何でも見抜かれちゃうなぁ…。

「うん…。あのね…」


さっきの出来事を話した。


「美寛の思い過ごしかもよ?本人に確認してみたら?」
「うん…」
「でも、春間くんが好きって判って良かったじゃん」
「良かったのかな…」
「人を好きになるのは悪い事じゃないよ?」
「そうだよね…」
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