Strawberry Junior
「美味しい?」

思わず聞いちゃう。

「はいっ♪」
「食べてくれてありがとね」
「いえ…」

「なんだなんだぁ?」
「なーんか…違う」
「俺等と違う雰囲気っていうか…」
「2人だけの世界っていうか…」
「要するに…甘いムードなんだよ!!ここだけ!!」

え゙!!

「お似合いだよ?威智悟?」

と蘭子先輩。

「うんうん。2人似合ってる」

と、棗まで…。

そんなこと威ったら春間くん困っちゃうよ…。
隣を見ると、平然と食べる春間くん…。
マイペースだな…。

「なんか、もう…」
「「「「付き合えばいいのに!!」」」」

竹田先輩の一言を合図にしたように、皆が口を揃えて言った。

「いや、無理ですから」

私は即答した。だって、春間くん絶対迷惑だって思ってるもん…。
本当は、
『じゃあ付き合っちゃおっか』
とか言いたい。
でも私にはそんなこと無理。大体、軽い女とか思われたくないもん。
チラッと右隣を見る。春間くんは、私の反応どころか、皆の会話すら全く気にしていない御様子。
はあぁ…。
私が溜め息をついた時。

「ごちそうさまぁっ!!!!」

春間くんが食べ終わった。

「じゃ、今日はもうお開きということで」

竹田先輩が言った。

「また皆で遊ぼーね」

と、蘭子先輩。
もう明日の部活から、先輩達居ないんだね…。ってことは、明日から私達が最高学年になるのか。キャプテンどうなるんだろ?

私がそんなことを考えてると、

「じゃあね。棗ちゃん、美寛ちゃん」
「「さよなら」」
「たまには、部活見に来て下さいね」
「うん。勿論。じゃあね、皆」

男子の後輩にもしっかり挨拶する蘭子先輩。本当にいい人だなぁ…。熟思う。

あぁ…。私も帰らなきゃ。
外に出ると、もう真っ暗だった。腕時計を見ると既に9時を回っていた。
やだなぁ。私、暗いの苦手なんだよね…。実は私、お化けとが大の苦手。
でも、小学校が同じ棗とも、皆とも方向が違う。それに、蘭子先輩も棗も車で来てる。
あぁあ。両親が共働きじゃなかったら、私だって車で来れたのに。それに一人っ子だから上に迎えに来てくれる兄弟もいない。
お姉ちゃんでも欲しいなぁ…。
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