Strawberry Junior
こんな台詞、普通ならなんとも思わないのに、威智悟くんだと何故かドキドキしちゃう…。
てか…

「葭本!!時間2分早いよ??」
「ごめん…」

葭本にはついキツくなってしまう。
こんなちっちゃいことで起こんなくてもいいのにね?私。
威智悟くんのほうを見ると、苦笑いしていた…。
あ…、キツい奴って思われちゃった…?不味いなぁ…。好感度下がっちゃったかも…。
バカ!私!
スマイルスマイル…♪

そういう風にして、今日の部活はあっという間に終わってしまった…。
ああぁ…。残念。威智悟くんと打つのは再来週までお預けかぁ…。早く再来週になんないかなぁ…。
そう思いながら、今日の部活での喜びを棗に語りながら帰った。


次の日。

「美寛、私、先生に呼び出し食らってるから先行っといて?」

放課後、棗が私に言った。

「りょうかーい…」



今日の部活の相手は葭本…。テンション下がる。

「はあぁ…」

溜め息をつきながら、私は台を運ぼうとしていた。

あ…。

気づくと、威智悟くんが一緒に運んでくれていた。

台はそれほど重くないし1人で運べないこともないけど、やっぱり助けがあったほうが助かる。

優しいっ!!優しすぎる♪

「威智悟くん、ありがとう」
「いえ…」

台を開き、ネットを張るまで、準備を全部一緒にやってくれた。

益々惚れちゃうなぁ…。

私が今何時だろうって思った頃、丁度棗が来た。
グッドタイミング♪

「棗ーっ、今何時ぃ?」

棗が聞こえるように叫んだ。

「えーっとね…」
「3時45分でーす♪」

棗が答えるよりも先に、威智悟くんが教えてくれた…。

「ありがとう…」

もうっ…。
キュンキュンしちゃうじゃん…。
なんで私、こんだけの事でキュンキュンなんなくちゃなんないのぉーっ??
棗のほうを見ると、あんまり見えなかったものの、ニヤけてるのは見えた。
恥ずかしいじゃんっ…。

そして今日の部活が始まった。
葭本やりにくっ…。
てか、冗談抜きで吐きそうなんすけど…。

「美寛先輩、顔色悪いっすよ?保健室行ったほうがいいんじゃないすか…?」

右の台で打ってる、私の斜め前にいる威智悟くんが気づいてくれた。
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