Strawberry Junior
「だって…、威智悟くん、先輩だからって遠慮して、嫌々OKしてたら悪いじゃ…」
「嫌々じゃないっすよ?」

声のほうを振り返ると、威智悟くんがいた。

「俺は誘って貰って嬉しいっす。ありがとうございます♪」

キュンっ…。

この愛くるしい笑顔。
ヤバイなぁ…。
私この笑顔で死ねるよ?いやホント。
威智悟くん、完全にキラーだ…。

「良かったじゃん、美寛♪」

棗が小突いた。

「うん…」



そして、あっという間に今日は終業式。
明後日は到頭プールだ♪

「春間くん居るよ」

前に居る棗が私のほうに振り返って威智悟くんが居るらしいほうを見た。

ホントだ…♪
寝てる…。可愛いなぁ…。
威智悟くんも寝るんだぁ…。
威智悟くんの新鮮な面を見れて嬉しいな。

飽きずに暫く見ていると…、
威智悟くんふっと顔を上げた。
そして、私の目線に気付いたのか、バッチリ目が合ってしまった…!!
威智悟くんがニコッとした。

ドキッ…

狡いよ…。もっと好きになっちゃうじゃん…。


そんな風にして終業式は終わった。


「美寛、明日水着買いに行こっか」

部活の帰り道、棗が言った。

「あ、そうだったね」
「可愛いの選んで春間くんのハートを射止めなくちゃね♪」
「もうっ」



次の日。
私達は水着売り場に来ていた。

「これなんかどう?」

棗がさっきから体の前で水着を取っ替え引っ替えしてる。

「棗はなんでも似合うって。いいなぁ。スタイルいい人は…」

私はというと棗と正反対で溜め息を吐きながら露出の少ない水着を探していた。

「美寛、充分スタイルいいじゃん?」
「棗の目、絶対どうかしてるよ…。見てよ、このお腹、この脚!」
「ちゃんと括れあるし、美脚だし、春間くんに見せても問題ない!」
「他人事だと思って~」
「他人事なんかじゃないよ?ほら、これなんか美寛にピッタリじゃない?」
「あ…コレ可愛い…」
「でしょ?」

棗が選んでくれたのは、私が一番気にしているお腹と脚が強調されず、尚且可愛さMAX!って感じの水着だった。

「これならスタイル気にしなくていいっ!」

私達はそれぞれ気に入った水着を買って、店を出た。
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