Strawberry Junior
もう見てらんないよ…。

私が呆れて窓の外を見ていると、隣に座っている威智悟くんが

「美寛先輩は電車酔いするほうっすか?」

と聞いてきた。

「う~ん…、ちょっとね」
「でも、なんか顔色悪くないっすか?」
「だって…」

私はさっきからイチャついてるカップルのほうを見た。
威智悟くんも釣られてそっちを見る…。

「じゃあ、俺等もイチャつきます?」
「なっ…!!!/////」

どーして貴様は急に爆弾投下するんだっ!!?
↑誰…?

私は威智悟くんのいきなりの爆弾発言に言葉も出ない…。

「じょ、冗談はやめよーね…」
「先輩、可愛い。吃ってる♪」

そんな、『乙女がキュンってなる言葉(名付けて{オトキュンワード})を軽く炸裂させないで欲しい…。

私はこれ以上威智悟くんと目を合わせてたら死にそうなので、目を逸らした。



「逸らさないで下さいよ…」

グイッ…

威智悟くんが私の顎を持って目を合わさせた…。
威智悟くんの顔がドアップ…。

「顔、赤いっすよ?」

死ぬッ!!
私の心臓ドキドキを越えてバックンバックン。本当に息苦しくて死にそう…。

ちゅっ。

え゙っ!?

妙な音が聞こえた…。

「すみません♪皆が見てないのをいいことに、オデコにキスしちゃいましたっ☆」

目の前では威智悟くんが悪戯な顔をしていた…。
なんて事を…。

4人のほうを見ると、全く気付いていないようだった…。

「…なんでっ!?」
「すみません。先輩彼氏いますよね…?」
「えっ!?いないけど!?」
「でも俺…、この前試合の時見ましたよ?他校の男子生徒とイチャついてるとこ」
「えっ…!?私そんな相手いないよっ!?」
「でも美寛先輩、呼び捨てでしたよ?確か…カナトでしたっけ…。なんか、その人が好きって言ったら、美寛先輩が知ってるって感じの事言ってましたけど…?」
「それ、架那汰だ…。あのね、その人私の幼馴染みなの。前に告白されて、振ったんだけど、なんかしつこくて…。だから、軽く流そうと思ってそう言っただけ」
「そうだったんすか…。でも、本当に彼氏いないんっすか…?」
「本当にいないよ?いたことすらない…」
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