Strawberry Junior
それから部活が始まった。女子は3人だけだから1台を3人で回ってる。蘭子先輩と棗が打ってる間はピン球拾い。
ふっと春間くんに目をやると、悪戯っぽい笑顔で皆と楽しそうに打ってた。春間くんの台も3人で、勝ち抜き戦をしていた。

「クソー、またかよー」

春間くんが文句を言いながら罰ゲームの腹筋をしてる。
それを見て、ちょっと吹き出しちゃう。
文句を言ってるトコが可愛くて、腹筋してるトコがカッコイイ…。見とれちゃうなー…

「…かんっ!美寛!!」
「あ、ごめんっ」

気付いたら棗が呼んでた。
また私の悪い癖だ。全然気付かなかったな…。
蘭子先輩が息を殺して笑ってる…。
なんか恥ずかしいトコ見せちゃったかな。
暫くして、また私のピン球拾いの番になった。
春間くんの方を見ると、凄く上手くラリーしていて、フォームも凄く綺麗だった。
そして…
綺麗にスマッシュが決まる。

「おっしゃ!!」

今の…、すっごいカッコイイ。世の卓球してる男子には失礼だけど、春間くん以外にあんなにカッコ良くキメちゃう選手なんて絶対居ない!てか春間くん以上にイケメンの卓球選手なんて存在するわけ無い!!絶対!断じて居ないっ!!この私が保証するっ!!
って…、何私熱く語っちゃってんの!?訳解んないしっ。
でも…、もう一回…、
スマッシュしてるトコ見たいなぁ…。


それから毎日毎日、私は春間くんを楽しみに部活に行っていた。


「~♪」
「美寛、朝からヤケにテンション高くない?」

朝から鼻歌混じりの私に、棗が不思議そうな顔で尋ねた。

「あ、棗おっはよー♪」
「おはよ」
「別にテンション普通だよー?」
「普通じゃないよ。何か良い事あった?」

今度はニヤけて聞いてきた。

「へへー♪今日も部活だな~って思って♪」
「なんで?部活なんていつもあるじゃん」
「ふふっ。春間くん見れんもん♪」
「ふふっ、て気持ち悪っ。てかやっぱ好きなんじゃん」
「へ…?」
「春間くんのこと」
「ち、違うってば。んなわけないじゃん。出会ったばっかなのに好きになるわけ無いじゃん」
「判んないよ?一目惚れかもねー♪」
「って有り得ないしっ!」
「有り得るよ。きっと、お互いの遺伝子が反応するんだよ」
「で、この人だ!ってなんの?」
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