シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「圭吾さん、お久し振り。お忙しくなかったかしら、突然ごめんなさい」

美里は白々しくそう言うと俺が勧める前に応接ソファーにサッと座る。

「いいえ、今日はどういったご用件ですか」

にこやかに訊ねる。

すると彼女の顔色が一瞬、サッと変わるのを俺は見逃さなかった。

美里もにこやかに答えた。

「あら、お聞きになってらっしゃらないの?

あなたと私は結婚するのよ。」

「へえ、なかなか面白い冗談ですね」

さすがの彼女も今の俺の返しには笑えないみたいだ。眉をひそめて俺を見ている。


< 39 / 122 >

この作品をシェア

pagetop