シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
逃げる様に立ち上がろうとした私の手をそっと専務の手が掴む。

振り返って彼を見ると、彼も今にも泣き出しそうな表情で私を見上げていた。

「専務…」

「だから、二人の時は、これからも圭吾って呼んでよ、瑠奈」

そう言いながら、彼はまたしても私の身体を自分の胸に抱き寄せて、彼の香りで包んでいく。

…?これからも…?

「あ、あの、せ…、…圭吾、これからも、って?」

「また、会ってくれるだろ?」

え…、うそ…。

だって、美里さんが…。

「でも…」

「嫌?俺が…、嫌い?」

そ、そうじゃなくて、。

意地悪だわ、分かっていて。



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