1ヶ月間の同居生活
「俺、永奈と話あるから」
楓さんは零くんから私を離し視界を遮るように
私を背中の後ろに回した
「楓さん?」
「君のお父さんのこと。知りたくない?」
こそっと私にだけ聞こえる声で耳打ちをする楓さん
「お父さんのこと?」
楓さんは何かを知ってるの?
「何を知ってるんですか?」
「いいからついておいで」
そう言ったとたん私の腕を掴み走り出した
「永奈!」
遠くで零くんが私を呼ぶ
だけど今はお父さんについて知りたい
その気持ちだけで楓さんについて走った