好きだから


「…別にいいから。気にしてないし。それよりほら!また遅刻する」
あれ?
なんで拓也一瞬固まったんだろう?

さっさとコテを片付けてくれる拓也を見ながら考えていると急に拓也が振りかえった。

「なにぼーっとしてんの?早く自転車乗りな?」
あっ
いつもの拓也に戻った。私の勘違いだったのかな?




「飛ばすんでしっかり掴まってて下さい」

ゆっくりと速度が上がっていく。

「はーい!」

心地いい風が吹く。
ぎゅっと拓也に掴まると夏の匂いと一緒に拓也がつけてる香水のいい匂いが漂ってくる。



私の大好きな時間。





< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop