(長編)初めての恋~永遠に~
毎日麗の傍まで来て、手を取って歩いてくれる透…


でも今日は、そのまま麗に背中を向けてしまった。


そして…


静かに歩き出した。


(どうして!どうして先にいっちゃうの?)


悲しくなり麗は立ち止まったまま、歩けなかった。


胸が苦しくなって、涙が出そうなのを必死に我慢して…


ふと透が振り返った。


いつもの笑顔はなく…透の顔も悲しく見えた。


「チビ麗!そんな所に立っていたら遅れるぞ!俺先に行くからなっ……」


透の声が胸に冷たく響いた。
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