(長編)初めての恋~永遠に~
透は麗の手を握り締めた。


何度となくつないできた、大きなあったかな手…


この手を離したくない…


透の力が強くなったと思ったら、透は手をスルッと離した…


透も離したくはなかった。


このまま抱き寄せて…


好きだよってささやいてあげたかった。


「麗……幸せになれよ…じゃあな…バイバイ」


透は麗に背向けると、小走りで行ってしまった。


透が泣いていたことなど、この時麗は知らなかった。
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