(長編)初めての恋~永遠に~
母親が退院してきてからも、麗の忙しさは変わらなかった。


まだ動けない母親に代わって、麗が家の中のことをする。


そんな毎日が続いていた。


部活の誘いもあったが、家の中の様子を考えると、今は帰宅部のほうが楽だった。


歩美もそんな麗を見ていたので、貴明について調べてみてはいたものの、もう少し落ち着いてから…と話をしないでいた。


夏休み前に、母親の体調も戻り、麗にも自由な時間ができるようになっていた。


ホッと気が抜けたせいか、時々透のことを思い出すことがある。


でも、以前より少しだけ、高校生活を楽しもうとする気持ちを持てるようになっていた。
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