届かなかった手紙
焦り
そしていつしか、私の心には一つの”焦り”が生まれていた。
もし誰かを好きになったら?
私以外の人が、相原の良さに気づいたら?
私だけが気づいていた、本当の相原はどうなるの?
こんな微妙な関係、嫌!
もっと深い関係になりたいよ・・・。
そんな焦りだった。
その焦りもあるのに、麻奈からの一押し。
「もう告っちゃえば?」
そして、私の心は一直線。
相原に告白することだけを考えるようになった。
いつか絶対告白するんだ。絶対、手に入れてみせる。
そんな強い意志の中、少しの迷いもないわけじゃなかった。
でも、また一押しする事件が。
「噂が流れてるよ?相原が美央のこと、好きっていう。よかったじゃん☆」
麻奈からのお告げ。
もうそれを聞いたとき、私の心は決定。
明日、告白しよう。
迷
いは消えて、噂を聞いて、実は自信もあった。
そして、なぜかその日は勉強もはかどり、いつもサボり気味の宿題も余分にするくらいだった。
明日は完璧な自分でいられるように、身だしなみにも、いつにも増して気合を入れた。
早く幸せな明日がこないか、とワクワクしながら眠りについた。