届かなかった手紙



「ねぇ、話があるの。」




ある日の休み時間。

私はユリコを廊下の端に呼び出した。



「どーしたの、そんな寂しい顔して!」



これから私が酷い言葉を投げつけることも知らずに、

いつもの笑顔で陽気に笑うユリコ。



「真剣なの!笑わないで聞いて!」



私の一言で、いっきに空気はシンとする。

近くにいた人も、チラッと私達の方を見る。



見せ物じゃないの・・・。私は真剣なの・・・。



愛する人のため。一生を賭けようとした人のため。



「な、何。マジノリ悪いんですが。てか何キレてんの?」


「ユリコ、相原のコト、好きなんでしょ?私はずっと前から、

てか今も好き。ひょっとしたら、一生好きでいちゃうかもしれないの。

私、何回も他の人を好きになろうとしたけどダメだった・・・。

それだけ愛して、それだけ苦しい思いをしたのに、ユリコが5股かけてんのが嫌なの!」


「っはぁ?ウチが誰を好きだろーと、勝手じゃん!ジコチューすぎ。」


「私は本気で一生忘れないよ!本当に好きだもん。

でもユリコは5股でしょ!?

もっと一途に愛してあげてよ!

そんな、5人のうちの一人になったって、全然嬉しくないよ・・・。

大切な人だから、そう思えるの!

私は相原に幸せになってほしいの!」


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