届かなかった手紙
いつのまにか声が大きくなっていた。
廊下にいる人全員の視線が私に向けられてる。
でもいいんだ。
これが本当の気持ち。
誰に聞かれても恥ずかしくない、素直な気持ちなんだ。
「・・・うん。知ってた。美央の愛には叶わないって、知ってたよ。
私もよく分からないの。自分がどうしたいか。
本当に愛せる人を手当たりしだいに探してる。
美央がちょっとうらやましいんだ、本当に好きな人に出会えてるから。
・・・・・・・私の負けだよ。」
ユリコは、悲しみと笑顔が入り混じった表情で私を見つめた。