届かなかった手紙



「み、美央ぉ・・・・。」


心配そうに私の顔を覗く麻奈。



できれば、見ないで。



人前で泣くのはキライだった。



弱いトコロを見られたくないから。



でも、泣いてしまう。



それは自分が弱いから。




本当に相原の幸せを願えていないから。




悔しくて、苦しくて、好きで、好きで、好きで。




溢れる思いは涙に変わって、私の頬を流れていく。




ダメだ、相原に気づかれる。




とにかくその場を離れたかった。


必死で重い足を動かそうとする。


やっと動いた。



でも、肩に何かが乗ってる。


後ろを振り返ると、そこにはユリコが立っていた。


それも、不振な笑みを浮かべたユリコだった。






< 132 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop