届かなかった手紙
「あ、松井。どした?」
もう私はこの時点で顔が真っ赤。
相原が目の前にいることだけで
とても幸せだった。
「こ、これ。家に帰って絶対読んで!」
「え?うん。わかった。」
「ぜぜぜ絶対だよ!?」
「うん、じゃな。」
部活に向かう相原の背中が消えても、私はそこを動かなかった。
ちゃんとできた。
私にも。
気持ちを伝えることができた。
そして後々押し寄せてくる不安と後悔。
もうちょっと良い言い方あったじゃない。
目をもっとよく見ればよかったじゃない。
私のバカ・・・。
でも、ちょっとだけ期待してる自分がいる。
そんな不安定な私をよそに、あなたはこの日、
どんなことを考えていたの―――――?